新潟生まれ新潟在住、ゲームシナリオライター兼小説家。
主に女性向け恋愛ゲームを製作。
小説は恋愛からファンタジー、歴史まで幅広く執筆中。
「え……あ、はい……」
エンドウさんは私の肩を抱いて、まるで恋人同士のような仕草で一緒にバスルームに入った。
「俺はシャワーもう浴びたけど、店から一緒に浴びなさいって言われたでしょ?」
「はい……」
「じゃ、一緒に浴びようか」
こういうとき自分で服を脱げばいいのか、お客さんの服をまず脱がせるべきなのか、分からない。おろおろしていると、エンドウさんは微笑んだ。
「怖くない、大丈夫だよ、わかなちゃん。恋人みたいにして。恋人がいたら、どんなふうにしてたか思いだして」
「恋人……みたいに……」
「そう。わかなちゃんと俺は今、恋人同士なんだよ。緊張しないで、……ほら、俺もうこんなになってる」
「わ……」
エンドウさんが私の手を取って、バスローブの上から下半身を触らせる。ものすごく硬くて大きなモノが、隆々とそそり立っているのが分かってびっくりした。
「びっくりした?」
「え……でも、恋人同士だと思ったら、普通かなって……」
「でしょ? 普通でしょ。ね、恋人なら、普通これから何する?」
エンドウさんはそう言いながら唇を近づけてきた。
(慎平みたいに、酒臭くないなあ……。エンドウさん、スマート)
だからだんだんと空気に飲まれていって、自然に唇を重ねた。
「ふ……っ、うん……」
「わかなちゃ……」
バスルームで着衣のまま身体を触れ合わせた。ディープキスがひどく甘い。強く抱きしめられ、顎を掴まれてキスは長く続いた。
(初めてなのに……なんでこんな……ドキドキしてるんだろ……)
ブラウスのボタンを外され、乳房を優しく愛撫された。触れるか触れないかのところで大きな掌が肌の上を滑る。エンドウさんの唇がするりと私の首筋に流れ、軽いキスを連続して贈られた。
「ん……」
「いい声。もっと聞かせてよ」
「や……恥ずかしい……」
スカートのホックが外され、ストンと床に落ちた。ブラウスもエンドウさんの腕にかけられたままで、その腕は私の腰に回っている。
「脱がせ合いっこ、しようね」
「……」
おそるおそる、エンドウさんのバスローブの紐を解く。下は何も着ていなかった。すぐさま裸身が現れる。歳から言えば中年男性だろうと思われるのに、身体は引き締まっていて贅肉らしきものはほとんど見当たらなかった。私の身体の方がぷよぷよしていて見せるのに恥ずかしいくらい。
「ストッキングだけ自分で脱げる? あとは俺が脱がせるから。俺が破いたりなんかしたら、困るのはわかなちゃんだからね」
すぐにストッキングを脱いで、下着だけになってみせた。裸身になったエンドウさんは、私を抱きしめながら脱いだものを脱衣籠の中に入れて、またバスルームに戻ってきた。
「もうちょっと……キスしてもいい?」
「はい……」
「わかなちゃんの唇、甘いんだもん」
「え……恥ずかしいです」
「可愛いなあ」
エンドウさんは嬉しそうに鼻先を近づけてきた。
風呂上がりのせいか、それとも香水の類をつけているのか、ふわりと甘い匂いが立ち昇った。
「わかなちゃん……今だけでいいから、俺のものになりな」
そんな殺し文句で頭がいっぱいになって、ぼーっとしてしまう。
(こんなんでいいのかなあ)
エンドウさんの手は、過たず私の下着のホックを外し、ショーツも下ろしてしまって私を完全に裸にしてしまう。脱衣籠までの数歩が恥ずかしくて、目をつぶってぎゅっとエンドウさんを抱きしめた。
「まだ怖い?」
「エンドウさんに、私、してあげたいです、いろんなこと……」
「そりゃあ、嬉しいな」
二人してシャワーを浴び、全身を洗う。
(恋人同士みたいに……、恋人同士なら……、こういうことをするはず……)
何度も念じながら、キスをし、ハグをして、お湯に濡れた。
「ねえ」
「……なんですか?」
「わかなちゃんは、お風呂の中でえっちなことするの、どう?」
「大丈夫、です」
「そう、変なことはしないから。むしろ今日は、わかなちゃんに喜んでもらおうと思うんだ」
「えっ、なっ、何を」
何をされるのかとびっくりして問うと、エンドウさんは穏やかに微笑んだ。
「ほら、怖いこと何もしないし。それとも、やっぱりベッドの上の方がいい?」
ここでいろいろなことをしておいた方が、あとあと仕事の役に立つだろう……。
そう思った私は、エンドウさんの要求に応えることにした。
「あ、ここでしてください」
「分かったよ、お湯……止めるね。寒くなったら言って」
「お風呂……入れておきましょうか」
気を利かせると、エンドウさんはにっこり笑って『いいねえ』と言った。
お湯をバスタブに入れる音がリバーブする室内。
エンドウさんはバスタブの縁に腰掛けるように言った。
「……?」
「腰が抜けるとさ、危ないから」
「……はい」
そのまま、またディープキス。お酒の味はもう消えて、唾液の甘さが強く感じられる。少しだけ、煙草の苦い香りがした。
「ふ……っ」
「わかなちゃん……」
全裸になった私の身体をそろそろと触れていく。首筋を舐められ、デコルテに舌が伸びた。私はそれだけでもう感じてしまって、エンドウさんの首に両手を回して耐える。
「エンドウさんっ……」
「いいよ、感じて」
息が荒くなる。エンドウさんの両手は、私の乳房をやんわりと揉みしだいている。なのに、肝心の乳首には一向に触れてくれない。ぎゅうぎゅうつかむ感じではなく、肌を柔らかくほぐすような感覚。
(そこ……触ってくれたらもっと……気持ちいいのに……)
「あっ、あっ」
「わかなちゃん、どうしてほしいか言ってみな?」
「あ……っ」
(触って……)
「言わないと、ずっとこのまんまだよ?」
勇気を出して、本能のままに口にする。うっすらと開いた瞳の先に、エンドウさんの悪戯っぽい笑顔があった。
「触って……ください」
「どこを?」
「あの……ち……乳首……っ。あ……っ、は……」
「今すごくエロい目してる、わかなちゃん」
蜜のように甘い感覚に、身体じゅうが痺れてきた。エンドウさんになら、身体を任せてもいい……。
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第4話 後編は5月28日公開です
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