2024/02/16 11:47

その日の目覚めは良かった。
ヤモリのやもやんとの別れからもう3日が経っている。
太陽はとっくにかくれんぼをしていたが、月が俺を見つけてくれたようだ。
枕元の時計に目を向けると長針は真下を向いて18時を示している。
どうやらずいぶんと寝てしまったようだ。
考えていた予定が崩れた事はさほど気にはならなかった。
ただ気掛かりが一つ。
―圧倒的に情報が不足している―
予定が気にならないとは言え、時間が戻る訳じゃない。
何が起こるか分からない。
ただ、確実に起こる事も分かっている。
そして、起こさなければならないモノも。
経験がそう告げていた。
俺はすぐさま布団から出てバスルームへと向かった。
浴室に入る前に洗面台の鏡を見る。
寝癖の髪に目ヤニまで付いた情けない男の姿。
出発の時刻は迫っていたが、念入りに身体を洗うのは怠れなかった。
戦いの前とはいつもそういうものだ。
身を清める意味合いだってある。
シャワーのカランを捻る。
設定されたベストな温度の湯がすぐに出てくる。
全身を一通り流し終えると、まずは髪を洗う。
それを終えるとドアに掛かった垢スリを手に取る。
ボディーソープをいつもより1プッシュ多く3プッシュ。
軽く泡立てる。
首、肩、腕、胸、腹、太腿、背、尻。
考えられる可能性を全て肯定し続ける。
そして残された一つの部位を残し洗い終える。
陰部。
まずは表面部分を泡のついた手を使い洗う。
次に皮をしっかりと剥き、優しく丁寧に時に激しく。
柔らかいタイプの垢すりでこする。
露出した先っぽが少し赤みを帯びればしっかりと洗えた証拠になる。
最後にシャワーの熱湯で自部自身の全てを消毒しながら洗い流す。
バスルームを出てバスタオルに手を伸ばす。
ふと洗面台の鏡に映る自分自身。
さっきまでの冴えない男の姿はもうなくなっていた。
店長ブログ一覧に戻る
店舗TOPに戻る