2024/02/24 11:32

デリヘルスタッフのくも
過去と現代を繋ぐ物語
ドアノブを握る
俺はゆっくりとドアノブを回す。
重いドアを押し開ける。
光が少しずつ漏れ見える。
数十㎝程開いた所で、勢い良くドアを押し開けきる。
『いらっしゃいませー!』
狭い店内に響き渡る聞き覚えのある声。
先程電話で話した受付の男に間違いはないだろう。
坊主頭にずんぐりとした体格。
満面の笑みをこちらに向けている。
服装は真っ白なYシャツに薄いブルーの太いタイ。
カウンター越しなのでスラックスの色までは分からない。
恐らく黒か紺だろう。
経験がそう告げていた。
ここまでに苦難の道を歩んできた旅人を安心させる為のフェイクな右に倣えの服装をしている。
三、四畳のスペースの半分近くを占める黄土色のカウンターには、透明のビニールカバー。
ビニールの間にラミネートしたものや写真なんかも挟み込む為のものだ。
簡素な黒の丸スツールが三脚置かれている。
俺はカウンターの向うにいる男の方へと歩を進めた。
ここまできたら完全に腹は決まっている。
俺は告げる。
『さっき電話した…』
言いかけるとオーバーリアクションで受付の男は数回頷いた。
『先ほどお電話いただいたゲス川様でえすね。お待ちしておりました!』
まずは相手に先手を取られたようだ。
だが、次はそうはいかない。
今度はこちらのターンだ。
俺は言葉を返す。
『すぐ遊べるんでゲスね?良い娘はいるんでゲスか?』
矢継ぎ早に俺は続けた。
『プレイもしっかりと出来る、それなりに経験のある女性がいいでゲスね。そういう女性は居るんでゲスか?』
一気に話し終わると、受付にも少し話す暇を与える。
『大丈夫ですよ。今ならあきらちゃん…』
―違う、そいつじゃないっ!―
『それとしょうちゃん…』
―そいつでもないっ!―
『後は…』
―さぁ何もかもゲロっちまえ―
俺は心の中で吼える。
『後は…りょうちゃんですね』
―ビンゴ!!そいつだ!!―
受け付けの男には狙いを悟られまいと平静を装う。
そんな俺をよそに話し続ける男。
『以上の三名がお待ち時間無しでご案内出来ます。どの女の子が宜しいですか?』
言い終わると俺の顔色を伺う。
計画通り。
ここは計画通りに。
俺は自分に言い聞かせた。
『100分コースをりょうちゃん指名でゲス』
俺はスタジャンの中にある財布の中身を頭の中で今一度確認する。
―100分コースの料金、駐車場代、帰りのガソリン代、そして指名料―
俺の考えを遮る様に受付が言った。
『では、100分コースとご指名料金、それと入会金を合わせて…』
思わず心の声が漏れ出る
『えっ、入会金…で、ゲスか?』
―入会金だと?入会金だと?入会金だと?入会金だと?入会金だと?―
To Be Continued・・・
店長ブログ一覧に戻る
店舗TOPに戻る