2025/06/02 16:11

いや~なんかとんでもない映画でした、「サブスタンス」。
かつての女性スターが加齢と衰えに抗って、違法な治療薬を打つ。
すると背を破って自分よりも若く美しく、なおかつ自分の生きた五十年分の知識、経験を備えたクローンの様な生物が現れる…!
「背を破って」という文言からも不穏な空気がしてたんですが、蓋を開けてみたらちょっと過激どころじゃあない、デヴィッド・クローネンバーグばりのボディホラーでしたw
で、ここから七日間毎に本体と上位互換的クローンの入れ替わり生活が始まるのですが…。
本体とクローン、二体存在しているとはいえ元は同じ本体。
しかしお互いがお互いを疎ましく思い始め…。
そして絶対の、例外の無いルールを一時の快楽と感情から破った事からどんどん破滅へと転がり落ち…。
最終的にはあまりにも酷くて笑っちゃったくらいでした。
なんかもう笑うしかないと言いますか。
ホラーと笑いは紙一重だと前から思ってましたが、改めて実感した次第。
そして、これをやってはいけないよ、というシンプルなメッセージが込められてると思うんです。
違法薬物ダメ絶対、決まり事は守ろうね、お互いに敬意を持って相手を尊重していたらこうはならないよ、無茶な事して老化に抗わなくても受け入れてくれる人はいるよ、引き返す、踏み止まるタイミングで引き返したり踏み止まらないとどえらい事になるよ、等々。
やっちゃいけないこれらの事を全てやっちゃったからああなってしまって。
実際劇中で「ここでやり直せたのに」と思うタイミングいくつもありましたしね。
しかし、実際に自分がその立場ならどうしただろう?
正直昔に戻りたいとか一ミリも思わないし、今が一番様々な面で充実してますのでまあないかなw
過去に成功した何かがある訳じゃあないし、以前も言った「老いすら楽しむ」を実践出来てますからね。
これが過去に注目を浴び、成功も収め、過去の自分が全盛期だった、となるとまた違うんでしょうね。
この主人公に非があるのは間違いないんですが、彼女も被害者の一人であるのがまた複雑なんですよね…。
彼女の周りの人間が最後まできちんと敬意を払っていれば、こんな事にはならなかったと思えてなりません。
「今の自分を否定された」と感じたからこそ絶望からああいう行動に出てしまった訳で。
反面「今の自分を全肯定してくれた」人も確実にいたのに、妙な虚栄心からそのチャンスを棒に振ってしまったシーンは観てて辛かったですね。
その虚栄心こそが「今の自分を全肯定してくれた」人が一番求めてない物なのに。
視覚的なショック要素から、様々な事を考えさせられる深い要素迄、いろいろてんこ盛りなこの映画。
男の僕とは捉え方が違うと思いますので、女性の方はどう思うのか、是非聞いてみたい物です。
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